「土方さん!

 新しい攘夷の情報が!」





山崎が騒がしく部屋に入ってきた。


この部屋には土方の他にもいた。










『まーた攘夷っスかぁ。

 最近攘夷の動きが活発っスね。


 その元気わけて欲しいっス・・・』


がぼやく。





   
「また殺り合えるチャンスが増えたんだ。喜ばねぇとな。

 で、情報は?」





「あっ、はい。

 辰星という無名で小さな組織なんですが、27日に真選組に斬り込みに来るそうです。」

土方に促され、山崎が言った。





「真選組に!?」

『大胆な組織っスねぇ。

 最近の攘夷は大胆だ。

 それにテロの標的が将軍さまから真選組になっているような気がするんスけど・・・』





「確かにな。

 それに27日っていえば、次の日の28日に将軍さまがお出掛けする予定だから

 忙しくしている。


 そのバタバタにのって襲撃しようってか。

 真選組もなめられたもんだぜ。」


土方がフッと笑って言った。




















『なんだかなぁ〜』





「そのセリフ、阿藤快みたいだぜィ。」


が縁側で寝ころんでいるところに、総悟が近寄ってくる。





『私は阿藤快っつーより加藤あいだから。

 キュートで可愛い女の子だから。


 てか、めずらしく寝てないんだね。』


「俺はいつでも目パッチリで起きてまさァ。

 それより、何かあったのかィ?」





が体を起こして座ったので、総悟はその隣に座った。





『なんか気になるんだよね。』

「攘夷のことかィ?」



『あ、分かった?

 もしかして総悟もそう思うとか?』


「いや。ただの顔に書いてあるだけでィ。」





『・・・マジ?』


総悟が苦笑いでうなずいた。





『ま、気になることはそれだけじゃないんだけどさ。』


「他にもあるのかィ?」





『イタアキマサのこととかー・・・

 最近は考えることが多くて大変だよ。』


「イタアキねィ・・・確かに変なヤローでィ。

 なにが目的なのかひとつも分からねェ。」





『だよねー。

 でも今回の件にも関わってる気がするんだ。』

「今回の件って、辰星って組織が真選組に斬り込みに来るってやつかィ?」



『うん。まだ確信はないんだけど、なんとなくね。

 でも、イタアキマサって不思議なやつなんだよねー。


 イタアキが関わっていると思われた組織は全て逮捕されてるんだ。

 しかも彼がその組織を抜けたすぐ後に。


 まぁ、それがイタアキが仕向けたことなのかは分かんないけどね。』



「そうだったのかィ。」

『ま、いつかイタアキも私が逮捕してやるよ。』


おどろいた顔の総悟に、が不敵な笑みをうかべる。





「そのときは俺も一緒でさァ。」

総悟もと目を合わせて、不敵に笑った。