『話つけてきたよーん。』
目の前のふすまが開いて、が部屋から出てきた。
「試験してもらえるのかィ?」
『意外とすんなりOK出たよ。
ま、《そんなこと聞いてないですぜィ!土方の妄想じゃないですかィ?》
っていう言葉のおかげかな〜。
じゃ泰輝、中入って面接受けておいで。』
「ありがとうございます。」
そういって泰輝は、さっきが出てきた部屋に入っていった。
「。」
泰輝が部屋に入り、2人きりになったところで総悟がいった。
『なーに?』
「どうしてそんなに泰輝にこだわてるんでィ?」
『私が?泰輝にこだわってる?』
「そうでィ。」
『そっかぁ・・・
そうだなー、理由をあげるとしたら・・・』
「さん!沖田隊長!」
の言葉は、自分たちの名前を呼ぶ声でさえぎられた。
「山崎?なんの用でィ。
前に万引きで捕まえて逃げ出したやつでも捕まえたのかィ?」
総悟の問いに、山崎が息をきらしながら答えた。
「いえ、岡中半蔵に関する新しい情報が入りました!
動く場所と日にちがわかったんです!」
「岡中っていやぁ、指名手配中の攘夷じゃねぇか。
で、その動く日ってのはいつなんでィ?」
「19日、場所は本瀧寺です!」
「19日・・・」
『あと約1週間か・・・
19日に本瀧寺ってことは開国祭ねらいだね。
ま、あとで土方さんにも報告しといて。』
「え?今じゃなくていいんですか?」
「今は面接中でィ。」
『ま、もうすぐ終わるとは思うけど。』
「面接中なんですか?
えっ、まさか入隊希望者の?」
『それ以外、誰の面接すんだよ〜。』
「でも、土方さんにあやしい者は絶対屯所内に入れるなって言われませんでした?」
『あやしくない人だったからいいんだよ。』
「・・・そ、そうですか。」
山崎は口でこの2人にはとうてい勝てないと思い、
これ以上なにも言わないことにした。
「近藤さんもで「うるせぇ!面接中に外で騒ぐな!」
いきなり目の前のふすまが開いて、土方が出てきた。
あーぁ、せっかく出番&セリフの少ない山崎がしゃべってたのに。
土方さんがかぶせちゃったよ。
ドンマイ、山崎。
「土方さん、泰輝はどうなんですかィ?」
その総悟の問いに、土方は下を向いた。
「合格だ。」
近藤が部屋の奥から泰輝と一緒に出てきた。
「俺は認めてねぇ。」
近藤の言葉に土方が反発する。
そして速歩きでどこかへいってしまった。
その後を、山崎がさっきのことを伝えようと追っていく。
『よかったね、泰輝。合格だってさv』
「はい。でも・・・」
「土方のことなんか気にしなくていいですぜィ。」
『そーそー。土方さんが大人気ないだけだよ。』
「まぁ最近、攘夷の動きが活発でイライラしてるんだ。
トシの気持ちもわかってやってくれ。」
「はい。」
「じゃあ、総悟、泰輝に部屋を案内してやってくれ。
適当な部屋でいいからな。
泰輝、荷物はどうするんだ?」
「俺の荷物はこの刀だけなんで。」
「・・・そうか。」
泰輝の表情が一瞬くもったので近藤は少し心配そうな顔を向ける。
『じゃ総悟、泰輝、いこっか。』
「後は頼んだぞ。」
近藤に軽く会釈をして3人は個人部屋がある奥へ向かうため廊下を歩きだした。
「で、どうすんでィ?」
『岡中のこと?』
「そうでィ。計画は考えてんのかよ?」
『あー、今回は土方さんにまかせる。』
「計画はさんが立ててるんですか?
町では戦略を考えてるのは副長だって噂ですけど。」
泰輝が前を歩いている2人にいった。
『へぇ。そんな噂が流れてんだ。』
「無知識で真選組に入隊しようとは思いませんからね。
ちょっと噂だけでも聞いてきたんです。」
「そうなんのかィ。
でも、実際に計画を立てているのはがほとんどだぜィ?」
『うん。7:3くらいの割合かな。』
「そうなんですか・・・」
「あ、そうだ。
泰輝、自己紹介してくだせィ。
俺は泰輝のこと《泰輝》って名前しか知らねぇからな。」
総悟がそう言うと2人とも、後ろを歩く泰輝のほうを振り返って立ち止まった。
「浅真 泰輝、16歳です。
よろしくお願いします。」
「沖田 総悟、16歳。
今は1番隊隊長でも、もうすぐ副長になってやるぜィ。
ま、同い年なんで総悟って呼んでくれよ。」
「え、でも上司ですよね?」
泰輝が遠慮ぎみにいった。
『いいのいいのv
今まで歳が近いのは私と総悟の2人だったけど
今日から泰輝も入れて3人だ!
仲良くしようね〜。』
「さん・・・
ありがとうございます。」
そういった泰輝の顔はとても嬉しそうだった。
『私は 、15歳!
一応1番隊の副隊長やってます。
私のこともって呼んでv
あと敬語も私たちには使わなくていいから。』
自己紹介が終わると、2人はまた前をむいて歩きだした。
「ここだよ、泰輝の部屋。」
そういって3人はある部屋の前で立ち止まった。
そして、総悟がふすまを開ける。
『ま、中入ろっか。』
の言葉で3人は部屋の中に入り、あぐらをかいて座った。
「さん。」
座った瞬間、ふすまが開いて山崎が顔をだす。
『どうかした?』
「土方さんが呼んでます。」
『はぁ・・・しょうがないなぁ。
じゃ、ちょっと行ってくるから
わからないことがあったら総悟に聞いてね。』
そういっては山崎と一緒に部屋を出ていった。