俺がずっと傍にいられたら、ちゃんを傷つけさせはしないのに。



どんなものからでも君を守ってみせるのに。










どうして君は立海なんだろうね?















―――――・・・・・・あー、本気で転校しようかな。














081.5 君の涙。by千石















たまたま今日は部活が休みで、迷わずちゃんに会いに来た。



そしたら、ちゃんの綺麗な顔が腫れていて・・・・・・















今は俺の胸で声をあげることなく、静かに泣いている。















ちゃんが立海テニス部の人たちと仲良くしていると知ってから、嫌な予感はずっとしていた。



電話してもどこか元気がない日が多かったから、もしかしたらと思っていた。















そうだよね。





こんな可愛い子が嫉妬の対象にならないわけがない。

























《テニス部のやつらと関わるのやめなよ。》


《そうすればちゃんが傷つくことはないでしょ?》










その言葉が出かかったけど





そんなことを言ったら、俺もちゃんを傷つけているやつらと一緒だと思って必死に飲み込んだ。












それでもまだ、その言葉がのどの奥にひっかかっているのは



俺の醜い独占欲のせいかな。















それに比べて、君の涙はあまりにけがれがなくて―――――・・・・・・






「俺の前ではもう我慢しなくていいから。」










俺が守るから。





そう言えないのは学校が違うから。



俺が山吹で、ちゃんが立海だから。










だから"俺が守る"なんて無責任なことは言えない。












だから―――――・・・・・・















「俺たちの仲でしょ?v」










そう、ふざけて言うのが精一杯だった。






























ちゃんの澄んだ瞳から零れ落ちた一粒の涙―――――・・・・・・













不謹慎だけど、とても綺麗だと思った。

















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キヨ視点でした。