「〜♪///」

「・・・お前、なにニヤけてんだよ。気持ち悪ぃぞ。」


「あ?」





部室で制服からジャージに着替えていると、隣にいたブン太がケータイを見てにやにやしながら鼻歌を歌っていた。








「なに見てんだよ?」

「これだよ、これ!やっぱ可愛いよな〜v」





そう言ってブン太が見せてきた画面には、

彼とビビ―――――水色のカツラをかぶったとの2ショットが写っていた。










「・・・こんなの、いつの間に撮ったんだよ?」





たしかはスタンツ始まる直前に着替えて、終わってすぐ戻ってたよな?



『カツラ暑ーい・・・あ、湯気出てない!?湯気!!』とか騒いでたしよ・・・








「終わった瞬間にステージ降りたとこ行って撮ってもらったんだよ。

 あー、ちゃんのコスプレ最高v」


「そうかよ。」





まったく、やっぱりこいつのこういう時の行動力はハンパねぇな。



まぁ確かにのビビ姿は可愛かったけど・・・って、なに言ってんだ、俺!?///
















069.5 部室で先輩と。byジャッカル















「よう。」

「あれ、丸井とジャッカルしかいねぇの?」


「あ、ちーっす。」

「ちーっす。みんなまだ来てないみたいですよ。」



突然、部室のドアが開いて2年生の先輩たち2人が入ってきた。










「つーか、お前ら聞いたかよ、噂!」

「噂っすか?」



急にテンションが上がった先輩の言葉を聞いて、ブン太が不思議そうな顔をして俺のほうを見てくるが

あいにく俺も思い当たるような"噂"は聞いていなかった。










ジ「なんですか、その噂って?」


先「それがさー、マネ同士の仲がめっちゃ悪いらしいんだよね。

  つーか、仲悪いっつーよりいじめてるらしい。」


丸「いじめっすか!?」


先「そ。薮井が安瀬をいじめてるらしい。」


ジ「それ、ほんとなんですか?先輩たち仲良さそうですけど・・・」





しかも薮井先輩とか大人しいタイプでそういうことしなさそうだろ。

どっちかと言えば安瀬先輩のほうが、ちょっと気が強そうなんだけどよ・・・





先「それがさ、安瀬って暑いときでも上下長袖ジャージ着てるときあんじゃん?

  日焼けが嫌で着てるのかと思ったんだけどさ、体育館での体育のときも着てたわけ。

  それで俺たち部員の中でちょっと気になってたんだけどさ。」


先「ふとした拍子に腕とか足とかにあざがあるのを見たことあるやつ、けっこういるんだよ。

  それでもって今、こんな噂が流れてるしよ。」


丸「あー、なんかマジっぽいっすね、それ。」


ジ「確かに・・・」


先「あー、ほんと女って怖ぇなー。

  っておい、丸井。お前が今見てた写メって・・・」



丸「あ、これっすか?ちゃんっすよ。」


先「うわ、2ショット撮ってやがるぜ。くっそー。」


先「俺らが見た写真よりやっぱきれいに写ってるわ。やっぱ可愛いな〜。」


ジ「の写メが出回ってんすか?」





ブン太のケータイを食い入るように覗き込む先輩たち。








幸村や仁王の写真は女子たちの間で出回って、中学のとき問題になったことがあるが

の写真まで出回ってんのかよ。


しかも先輩にまでって・・・










先「あぁ、写メが2年の中じゃかなり広がってるぜ?生写真も確かあったし・・・」



こらこらブン太、目を輝かせるな。

間違ってもお前買うんじゃねーぞ!





先「あー、まじで可愛いよなぁ、さん。マネージャーになってくんねーかな?」


丸「頼んでるんすけどねー。あんまやる気ないみたいっす。」


先「またそのテニス部に興味ないところもいいよね。

  その上、可愛いし優しいしテーピングとか上手いしさ。

  さんがマネージャーになってくれたら俺、もっと頑張っちゃうんだけどなー。」


先「確かにー。めっちゃ練習に早く来ちゃうわ。」



ジ「いやいや、普段からそのモチベーションでやってくださいよ。」





の写メに見とれながらぶつぶつ言っている3人にぴしゃりと一喝した。








まぁ口ではそう言いながらも、俺の頭にはジャージを着てマネージャー業をしているの姿が浮かんでいて・・・















―――――あぁ、確かに頑張れそうだわ










と思ったのは誰にもいえない秘密だな。
















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ちょいスランプなうです・・・