『・・・ぁッ・・・ゃっ・・・』
呼吸もままならない状態が何分か続き、
苦しさと嫌悪感で自然と涙がほほを伝うのがわかった。
すると突然彼の顔が離れ、両腕も解放された。
「その顔、そそるね・・・」
062 立海合宿2日目 倉庫。
酸素不足で全身から力が抜け、ぼーっとする頭を押さえながらその場に座り込むと
彼はすばやく私に後ろを向かせ、両手を背中のほうにまわさせた。
そしてなにかビリッという音がしたかと思うと
抵抗するひまもなく、私の両手はテープのようなもので後ろでに縛られた。
『ちょ、ちょっと・・・なに、するの・・・!?』
「俺と楽しいことシようよ。」
『いやぁっ!・・・んっ・・・んー!・・・』
後ろからいきなり抱きつかれたかと思うと、
髪をかきわけ熱をもった息が耳にあたり、そのまま耳を舐められる。
思わず身体がびくっと反応した私を見て、彼がにやっと笑ったのがわかった。
助けを呼ぼうにも、彼の左手で口を押さえられていて声を出すことができず
後ろからがっちり抱きつかれているため逃げ出すことも出来ない。
私が抵抗できないのをいいことに
彼のあいている右手が服の上から私の胸のふくらみに優しく触れた。
初めは形を確認するように優しく撫で回していたが
次第に大きく揉み拉いたり、頂を小さな円を描くように刺激する。
『・・・んー・・・んっ・・・』
上体をよじって必死に抵抗するも彼にとっては完全に無意味なようで
耳元にあった熱を持った彼の舌が首筋、うなじまで下がってくる。
そして右手がついにティーシャツの中に入ってきて今度はブラの上から胸を揉まれた。
さっきよりも強く感じる刺激に私の身体もどんどん熱を持っていくのがわかった。
優しく揉まれたり、強く鷲づかみにされたり・・・
敏感なところをつままれると思わずビクンと身体が反応してしまう。
それを楽しむかのように、彼の手は頂に触れそうで触れなかったり
突然指で強く転がしたりして私を刺激する。
『・・・んー・・・ぁっ・・・』
必死に抵抗し逃げようと腰を浮かせると、
待ってましたとばかりに今度はショーパンの中に右手が侵入してきた。
太もものラインに沿ってさわさわと撫でまわし、どんどん割れ目に近づいてくる。
『・・・んーっ!んー!んー・・・』
「鳴き声が聞こえないのは残念なんだけどね・・・」
『・・・んー!・・・ちょっと、やめ・・・んー!』
さすがにやばいと思った私がいっそう激しく暴れると
彼は私を無理やり押さえつけ、口にガムテープを貼った。
そして今まで口を押さえていた左手を、今度は後ろから腰にがっちりまわし
彼の身体にぴったり抱き寄せられた。
ショーパンの中に侵入した右手は、下着の上から私の秘部にそっと触れた。
敏感な部分を指で強くこすったり、つまんだりしたかと思うと
触れるだけの優しい手つきで焦らしてくる。
必死に足を閉じようと抵抗するも彼の足が絡められていてそれを許さない。
そしてついに下着の中に右手が侵入し、彼の指が直接割れ目を刺激する。
「あ、、濡れてるよ?俺の愛撫で感じてるんだ?」
耳元で聞こえる熱っぽい声。
少し笑いを含んだその声に、羞恥心がどんどん増していく。
彼の指が私の敏感なところをいやらしく撫で、ついにはナカまで指を侵入させてきた。
素早く出し入れを繰り返したり、ゆっくり奥まで挿入されたり
そのひとつひとつの刺激に私の身体は思わず反応してしまう。
『・・・んっ・・・んぁ・・・』
「のナカ、ひくひくしてるよ?」
彼の指は私のナカをかきまわし、残りの指でクリトリスを刺激する。
どんどん激しくなる愛撫に私の頭は真っ白になっていき、腰も自然と動いていた。
「イキたいんならイかせてあげるから、もっと力抜いて?」
まじで、やばい・・・このままじゃ・・・ヤられる・・・
必死の思いで足に力を込めて立ち上がると、
腰にまかれている腕の力が一瞬弱まったのがわかった。
突然のことに驚いている彼にできたその隙を見計らって彼の腕を振り払い
唯一自由な足でそのへんの机を蹴り倒し、ドアも力を込めて何度か蹴った。
これだけの音がしたら不審に思った誰かがきてくれるはず・・・
「なにやってんだよ!」
『んー!』
すぐに私に追いついた彼は、後ろで縛られている私の腕をひっぱり
今度は無理やり床に押し倒した。
天井をバックに見る石立くんの顔。
窓から入ってくる光もだいぶ薄暗くなって、彼の顔に不気味な影をつくっている。
私を見下ろす彼の目は怒りで少し揺れていた。
馬乗りになった彼が、乱暴に私のティーシャツをまくり上げようとしたとき
―――――ガチャッ。
「・・・・・・・・・?」
『んーっ!』
突然、部屋の扉が開く音がした。
それに反応して入り口に目を向けると、1人の男子生徒と目が合う。
彼は口をテープでふさがれ、押し倒されている私を見て驚きで目を見開いていた。
「に、仁王・・・」
『んーっ、んーっ!』
私にまたがっている石立くんは、入り口のところに立つ人物を見て
焦りを隠しきれない様子だった。
さっきまで鋭かった眼光も今では泳ぎに泳ぎまくっている。
「・・・・・・お前、なにやっとんじゃ?」
におーやさんの今までに聞いたことのないような低い声が部屋に響き渡った。
そして彼はゆっくりと部屋の中へ歩を進める。
―――――バンッ
「うわっ・・・」
私たちの目の前まで来ると、私を組み敷いていた石立くんに勢いよく蹴りを入れた。
彼はその勢いで思いっきり壁に打ち付けられ、その場に座りこむ。
それを見るにおーやさんの目は、とても冷たくて・・・少し怖く感じた。
彼は私に視線を戻すと、そばにしゃがみこみ
めくれかけていたティーシャツを元に戻し、私の口と両手からガムテープをとった。
そしてゆっくりと私が上体を起こすのをサポートしてくれる。
彼の表情からはさっきの冷たさは完全に消え、心配そうに私の顔をのぞきこんでいた。
「・・・大丈夫か?」
『ん、大丈夫。ありがと。』
「そうか・・・」
彼は首にかけていたタオルをふわっと私の頭にかぶせた。
突然つつまれた彼のにおいに安心すると同時に
さっきまでの恐怖のせいか自分の身体が震えているのに気がついた。
自覚しても震えは収まることなく、次第に視界もぼやけてたので、
泣き顔を見られまいと下を向き、唇を噛みしめ必死で涙をこらえる。
におーやさんはゆっくり立ち上がって私から離れ、壁際へ向かった。
そして、いまだ壁際に座り込む石立くんの胸倉を掴んで無理やり立たせる。
「お前、自分が何やったかわかっとんか?犯罪じゃろ。」
「・・・ひっ・・・」
「こんな部屋に連れ込んで無理やり襲ってたんじゃ、
警察につき出されても文句は言えんぜよ?」
壁のほうを向いているにおーやさんの表情は見えなかったけど
その冷たい声と向かいに立つ石立くんの怯えた表情から
なんとなくさっきの怖い顔をしてることがわかる。
『におーやさん。』
私が背中に静かに呼びかけると、彼は顔の半分だけこっちに向けた。
「なんじゃ。」
『手、離してあげて?』
私のその言葉に、彼の目が大きく見開いた。
石立くんも驚いた顔をしている。
「なんでじゃ?だってこいつは・・・」
『いいから。』
そう言った私の顔を真意を探るようにじっと見つめてから
しぶしぶ石立くんの胸倉から手を離す。
におーやさんから解放された石立くんは、私のほうを1度だけちらっと見て急いで部屋を出て行った。
走り去る石立くんの後ろ姿を無言で見つめていたにおーやさんが
私のそばまで戻ってきて、向かい合うようにして座った。
「、ほんとに大丈夫か?」
『大丈夫だって〜。ま、におーやさんが来なかったらまじでやばかったけど・・・
でも、なんでこんなとこにいるの?』
さっきから震える手足にぐっと力を入れ、
不安そうに見つめてくる彼を安心させようと無理やり笑顔を作る。
「部屋の近くの自販機が売り切れとったから、こっちまで来たんじゃ。
そしたらすごい物音が聞こえて、なんか声も聞こえたし・・・」
「なんか嫌な予感もしたからな。」
そう言って私のほほに手を沿えようとすると
私はさっきのことが思い出されて、無意識にびくっと反応して顔をそむけてしまった。
それに気づいて手をひっこめた彼の顔を、うつむいたままおそるおそる見ると
ひどく傷ついた表情で私を見つめていた。
「一人になったほうがええか?それなら出て行くが・・・」
彼の言葉を否定するために顔を少し上を向けると
それによって頭にかぶせられていたタオルが落ち
不安そうな青緑色の瞳と視線がまっすぐぶつかる。
私は思わず彼の服の袖を掴んでいた。
『ごめん・・・ここに居て?』
石立くんが部屋から出て行ってようやく恐怖から解放された安堵によって
私の声はかすかに震えていた。
におーやさんは何を言うこともなく、しばらくただ隣に座っていてくれて
そのおかげで私の心は徐々に落ち着きを取り戻していった。
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長かったー・・・苦労したー・・・
ほんと駄作ですみません