第4特別室につくと、演劇部の子が脚本をみんなに配っていた。


前の子から送られてきた冊子の表紙を見ると








"俺たちのONE PIECE〜立海王国を救え"










・・・はい、みなさんの思ったとおりです。



ワ●ピースのパロディです。

立海王国ってのはアラバ●タ王国のパロディです。
















058 立海合宿1日目 配役。















冊子の中身をぱらぱらと見てみると


最初の3分間で麦わらの一味vsバロックワークスで戦って

残りの2分で仲直りのみんなのダンスって感じの構成になっていた。





んー、なんか超楽しそう♪

ちょっとテンション上がってきた〜v















「はーい、みんなの手に渡った〜?

 今から説明するからちゃんと聞いててよー。」





演劇部の子が台本を丸めて拡声器みたいにして言った。



それを聞いたみんなが、ぞろぞろと彼女の周りに集まり

私も少し前方に真菜子が見えたため彼女の隣に立った。










「あ、ちゃんと来てるじゃん。

 なかなか来ないからちょっと心配してたんだよ?」


『・・・私だって、やるときはやる子だからねー。』



私はなんとなーく視線を真菜子からそらしながら言った。





・・・柳くんに助けてもらったことは黙っとこーっと。















「みんな聞こえるー?じゃあ説明するね。


 えっとまず、全体的な流れなんだけど

 音声は放送部の荻谷くんがアニメとかを編集して作ってくれたから

 キャストの人はそれに合わせて口パクと身振り手振りで表現してね。

 セリフを覚える必要もないから、かなりラクだと思う。


 みんな荻谷くんに感謝しようねー。」





その言葉によってみんなの視線が荻谷くんに集まり、

彼は恥ずかしそうにうつむいた。





今の時代、そんなことも出来るんだねー。

私には一生縁のない世界だな、うん。



まぁ確かにこの方法だったら、セリフ間違える心配とかないし

声の大きさとかも簡単に調節できるから、めっちゃ良いかも。



超名案じゃん・・・さすが演劇部!












「中心人物のカツラとか衣装は用意してきたからそれを着てね。

 それ以外の人は適当にTシャツとかで良いよ。


 ダンスはもうかなり学校で練習してきてるから踊れると思うし

 これからは劇の部分を音に合わせて動く練習を中心にしていくよー。」





すごい大量の荷物で、どんだけお菓子持って来たんだよって思ってたけど・・・

あれ衣装だったんだね。


すぐ用意できるところとか、さすが演劇部・・・








「と、その前に!

 台本が今初めてみんなのところに渡ったわけだから

 キャストとかまだ、一切決めてないじゃないですよね?

 ってことで今から決めまーす。


 セリフっていうか口パクがある役だけ前の白板に書いてくんで立候補とかしてください。

 時間ないんでちゃっちゃと決めましょう。」




 
そう言って演劇部の子は、白板にどんどん登場人物を書いていく。





ルフィたち麦わらの一味+ア●バスタ、いや立海王女ビビ・・・

それから、クロコダイルとロビン率いるバロックワークス、って感じかー。


んー、私は兵士Cくらいがいいなー・・・










「ていうか早く決めたいから

 もう男子の配役は女子が決めて、女子の配役は男子が決めるって感じでどう?

 これなら文句でないでしょ?」



監督の提案に、みんなは顔を見合わせながらもうなずいていた。





あー、確かにこれなら幸村くん争奪戦とか起きなくて

平和的解決ができそうかも・・・


みんな相変わらず幸村くんのことちらちら見てるしね。












『私は兵士Cでよろしく。』



女子は後ろのほうに集合だと言われたので、そっちに向かっている途中

ジャッカルとすれ違うと同時に言っておいた。



ジャッカルはぽかんとしていたけど


・・・うん、わかってるって。





ちゃんとチョッパーに推薦しとくよ。



その肌の色もチョッパー意識してるの知ってるから。←















私が我関せずな感じでぼーっとしていたら

女子たちがきゃーきゃー言いながら男子たちをキャラに当てはめ

どんどん配役が決まっていく。



チョッパーを決めるときだけは参加してジャッカルを貫き通したけど

それ以外はみんながきゃっきゃ言うのを温かく見守っていた。















「じゃあ男子も女子も決まったみたいだから発表していきまーす。

 まず、ルフィはオカタクー。んでナミが真菜子ちゃんでー・・・」



監督(演劇部の子ね。そう呼べって言われた。←)がみんなの前に立って紙を読み上げていき

それに合わせて助監督(学級委員の子。勝手に名づけた。←)が白板に名前を書き込んでいた。








真菜子、オカタクといい感じの配役になれて良かったじゃん。



隣の真菜子を盗み見してみると

自分の名前が呼ばれた瞬間に自然とオカタクと目が合ったみたいで

赤い顔をしてお互いパッと目をそらしてた。



よっ熱いねー、お2人さんv

両思いなんだから早くくっつけばいいのにねー。








「・・・それから、ゾロが沖合くんでサンジが幸村くん。あと・・・」








あ、結局幸村くんはサンジになったんだ。



っていうのも、配役決めるときまず最初に

"幸村くんはなんのキャラにする?"で大討論だもんな〜・・・



普通、ルフィは誰にする?とかなのに

幸村くんはなにかの役をやることは女子の間じゃ決定事項だったみたい。



ま、女の子に優しいからサンジで良いと思うけどね。








「・・・チョッパーはジャッカルで、ビビ王女はさん。ウソップはー・・・」





ふふっ、ジャッカルのやつチョッパー役で喜んでるかな〜・・・





・・・・・・





・・・・・・・・・





あれ?ちょっと待って。



今なんか私の名前が呼ばれた気が・・・・・・?










はビビだって。一緒に頑張ろうねv」



オカタクとの共演が決まって、がぜんやる気が出ている真菜子が満面の笑みで言った。





『え・・・私がビビやんの?』



ビビって一応今回のスタンツのヒロインじゃないの?


それを私がやるの?





『いや・・・・・・絶対むりだって。』



私、ヒロインとか絶対そんなキャラじゃないって!





「大丈夫だって!全部口パクだし。」


『いやーでも・・・あ、ちょっと、ジャッカル!』



少し前に立っていたジャッカルの姿が見えたので

文句を言おうと彼の腕をひっぱるとこちらを向いた。



彼の顔にはチョッパーに選ばれたことに対する喜び(困惑だよ!byジャッカル)が前面にあふれでていた。








『お礼なら後でいいから。

 てか私、兵士Cがいいって言ったんだけど?

 誰がビビをやりたいって言ったんだよー・・・』


「お礼・・・?は?なんのこと?」



だから、チョッパーに推薦してあげたお礼だっての。

でも今はそんなの言ってる場合じゃない。事は一刻を争うのだよ。





『そんなことはどうでもいいから。

 なんで私がビビになったのかが問題なんだよー。』


「あぁ、いや、俺は本人はやりたくないと思うぞって言ったんだけどな?

 みんながが良いっていうから・・・」


「いいじゃない。私もがビビってけっこうハマってると思うけど。」


『ジャッカルー・・・

 あーぁ、幸村くんも止めてくれれば良かったのに・・・』


「いや、最初に言い出したのが幸村だったからそれは無理だな。」


『え?』


「だから、ビビはがいいんじゃないかって言い出したのは幸村なんだよ。」


「へぇ、意外。幸村くんってこういうときあんまり率先しないタイプだと思ってたのに・・・

 、自信持ちなって!幸村くんのお墨付きだよ?」


『えー、でもー・・・まじかー・・・』



はぁー、でもいつまでもだだこねてても仕方ないか。

もう決まっちゃったことだしね・・・








私はため息をついて、そのまま深呼吸をし





覚悟を決めた。













―――――立海王女に、私はなる!(お前ノリノリじゃねぇか。byジャッカル)
















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サンジが幸村って・・・微妙すぎる。
ここで1日目終了にします。