キヨとの電話はいつものように他愛もない話で盛り上がって

気がついたらかなりの時間が経っていた。

















051 大事な友達。














あ、もうこんな時間・・・


そろそろお風呂入って明日の準備しようかなー。





そう考えながらちらっと時計を見ると


時計の横に置いてあったカレンダーが自然と目に入る。





『あ、そういえばさー、このへんに駄菓子屋さんない?』


《駄菓子屋?》


『うん。今度、立海合宿っていう宿泊研修があって

 それに持って行きたいお気に入りの駄菓子が

 このへんのスーパーじゃ売ってなくてさー。』





ほら、"タラ●ラしてんじゃね〜よ"ってお菓子あるじゃん?



それの通常のやつはこのへんにも売っててよく食べてるんだけど

あれの"タラ●ラしてんじゃね〜よスティック"が

遠足のときには食べやすくって最適なんだよね。








《駄菓子屋なら俺の家の近くにあるけど・・・

 今度連れて行ってあげようか?》


『あ、うん!やったv

 あと折り畳み傘とか色々買うものあるんだけど・・・』


《モチロン付き合うよ♪》





良かった〜v



実は真菜子と買い物行こうとしてた日にバイトを急遽頼まれちゃって

何も買えてなかったんだよね・・・








《立海は今の時期に宿泊研修なんだね。》


『そーいえばキヨはもう4月くらいに行ってたもんね。』


《うん。ちゃんと一緒に宿泊研修なんて

 ほんと立海のやつらが羨ましいな〜。

 変な男に襲われないように気をつけるんだよ?》


『変な男って・・・そんなのいないいない。』


《油断してるとほんとに襲われちゃうからね?

 男と2人きりになんてなっちゃだめだよ?》


『はーい。』





なんか初めてお使いに行く子供の気分。

このママすげー心配性だし。


そんな変な男なんてうちの学校にはいないと思うけどなー。








《いつから行くの?》


『んーっと、再来週の火曜からだよ。』


《そっか〜。何泊?》


『2泊3日かな。

 しかも山奥で圏外らしいよ〜。』


《えっ、じゃあメールも出来ないってこと?

 アンラッキー・・・》





















それからしばらくまた他愛もない話をして。



2人の予定が合った今週土曜の午後に買い物に行く約束をした。





その日も悪いと思って一応断ったんだけど、

結局キヨが私のマンションまで迎えに来てくれることになった。



・・・ほんとに女の子にはとことん優しいよね、この人は。















キヨとの電話を切ってから

ふと今日の呼び出しのときに言われた言葉を思い出す。













「あんた、他の学校にまで手をだしてるらしいじゃない。」


『え?』


「とぼけるんじゃないわよ。

 山吹の千石くんと2人でよく会ってるんでしょ?」


「どーやってたぶらかしたのか知らないけど

 あんまり調子に乗ってると痛い目見るわよ?」
















あーぁ、今度の買い物も誰かに見られたら

またなんか言われちゃうかもね・・・










いやでも。

キヨは大事な友達だし。



私が誰と遊ぼうが自由じゃないか。





なんでそんなことまで口出しされるんだろう・・・










キヨの電話によって少し明るくなっていた気持ちが

再び少しもやもやし始めた。










あーもうこれは考えちゃだめだ。

よし、お風呂入ろう。













私はひざのうえで熟睡しているダイキをゆっくりどかし








寝巻きなどを準備してお風呂場へ向かった。
















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ちょっと短くなってしまった・・・