つ、ついに・・・
ついに終わった・・・!
こりゃ、ドキュメントになるな!
間違いなく全米が泣くな!
私の汗と涙がつまった努力の証
―――――課題を職員室に出しに行こうじゃないか。
そんで、さっさと帰ろう。
帰ってゲームしよう。
026 帰りたい、帰れない。
『失礼しまーす。』
職員室に入って、担任の先生を探す。
目的の人物は、奥のほうにいたけど、
先生もこっちを見ていたから比較的すぐ見つけた。
『これ、終わりました。』
「よし、よく頑張ったな。次からはちゃんとやってこいよ。」
『はーい。』
『じゃ、さようならー。』って言おうとして口を開いたら、
先生が1枚のプリントを渡して(押し付けて)きた。
『・・・なんですか、これ?』
「いやー、これは美化委員のプリントなんだがな。
渡し忘れてどうしようかと思ってたところなんだ。
悪いがこれを美化委員のどっちかに渡してきてくれないか?」
『いやです。』
「そう言わずにさー。」
即答する私に、先生が困ったような声を出す。
いい年して、そんな甘えられても萌えないぞ。
『そもそも、それって先生のミスでしょ〜?なんで私が・・・
てか、そんなの明日渡せばよくないですか?』
「それが、これは明日の朝に委員会があるっていう連絡のプリントなんだよ。
だから、今日渡さなきゃダメなんだよ。
でも俺は今から職員会議だし・・・」
『えー・・・』
それなら確かに、今日渡さなきゃだめだよねー・・・
でも私、早く帰りたいんですけど。
「頼むよ。今回の課題も遅れた分の減点、なくしてやるから。」
"減点をなくす"というワードに自然と耳が反応する。
・・・それは捨てがたいな。
『わかりましたよー。美化委員ですよね?』
先生もほんとに困ってるみたいだし。
しゃーなしですよ?
しゃーなしですからね?
・・・減点がなくなるから、とかじゃないですからね?
「助かるよ。ありがとな、。」
『うぃーす。』
もらったプリントをひらひらさせながら職員室をでた。
美化委員って言えば・・・幸村くんとー、"ユイカちゃん"だったかな。
幸村くんは部活だろうし。
"ユイカちゃん"も確かテニス部の応援をいつもしてるらしいから。
テニスコートいけば、とりあえずどっちかに会えるか。
そう考えた私は、テニスコートに向かって歩を進めた。
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幸村くんに会いに行きます。