今日は初めての委員会の日。



放課後、委員会に入っている生徒は、各種委員会の集合場所に行くことになっていた。





私も保健委員に入っちゃったから行かなきゃね〜、めんどくさいけど。








委員の人数は、各クラス男女1人ずつで、1学年9クラスあって、3学年あるからー・・・

まあ、合計はいっぱいになる。←


そんな大人数が保健室に入るわけなくて。



保健室のとなりの第2理科室

―――そこが保健委員会の集合場所になっていた。










012 保健委員会。








第2理科室の場所なんてわかるはずなかったけど。←

同じクラスの保健委員の男の子が誘ってくれたので迷わずいけた。


ありがとう、ぼったんくん!(坪田だからぼったんらしい)





指定の場所に座って、委員会が始まるのを待つ。


席は、3年の女子が1列目にA組から順に並んで、

2列目には3年の男子・・・という感じ。


つまり、1年C組の私は5列目の左から3番目。





両隣の女の子たちは、みんな内部生で顔見知りらしく、楽しそうに話をしている。


「ねぇねぇ、宇佐美くん、まだきてないけど学校は来てたよね?」

「うん、きてたきてた。」

「良かった〜v」

「実は美化委員狙いだったんだけどなれなくて、いやいや保健委員になったんだけどさー。
 宇佐美くんの噂聞いて、まじラッキーって感じv」

「ほんとだよね〜v」

「アタシ、宇佐美くんと同じ日の当番狙うからよろしく〜v」

「あ、ずるい!私も当番一緒にしたいのに〜。」





あぁ、そーいえば、なんかイケメンな外部生が保健委員になったって真菜子が言ってたな。



幸村くんとかブン太くんくらい、かっこいいのかな?

この学校、かっこいい人は性格も良いって人が多いし、会ってみたいかも。







私の中で"ステキな宇佐美くん"像をつくっていたら、後ろのドアが開く音がした。



「あ、きたきたv」

「宇佐美くんだ〜v」

「かっこいい〜v」



両脇だけでなく、2、3年生の女の子もチラチラ後ろを見ているのがわかる。



私も、"ステキな宇佐美くん"を一目見ようと後ろを振り返った。










―――――げ、



振り向いた私と目が合ったのは、入学式の日に会ったあの男。


落し物を拾ってあげたのに、ありがとうの代わりに、めっちゃにらんできたやつ。

ほんと失礼なやつ!


この人も保健委員なのかよ〜。

絶対、仲良くはなれないな。





こんな人より、宇佐美くんだよ、宇佐美くん!

ステキな宇佐美くんはどこ〜?



後ろをきょろきょろ見回しても、それらしい人はいない。

真後ろのぼったんと目が合っただけ。



ん〜?

"宇佐美くん"はどこ〜?

あ、そーいえば、確か真菜子が"宇佐美くん"はD組って言ってたな。



D組のとこに座ってる男の子はー・・・








あ、れ・・・?





その座席にいま、座ろうとしているのは、やっぱりあの男だった。







てことは・・・・・・



えっ、あの嫌なやつが"ステキな宇佐美くん"ってこと!?





いやいやいや。

ありえないありえないありえない。



うん、もう"ステキな宇佐美くん"のことは忘れよう。

あの人、嫌なヤツだし関わらないほうがいいわ。





私が前を向きなおしたら、時間になったのか、ちょうど委員会が始まった。















委員長だと思われる人が、保健委員会の仕事内容、今期の目標などを淡々と言っていく。




へー、保健委員でも目標とかあるんだね。


ふぁ〜・・・

やべ、あくび出た。

眠たくなってきたー・・・



ちょっとうとうとしかけてたら、話し合いの時間になった。


たぶん当番を決める時間っぽい。(あんま聞いてなかったからわかんないけど)





1年生の当番ってゆーのは、週に1回、昼休みか放課後に保健室に行って、先生の手伝いをするらしい。


なにも手伝うことがなければ、すぐに帰れる。

だけど、先生が忙しいときは、けがをした生徒の簡単な消毒くらいさせられることがあるらしい。(そのために消毒の仕方のビデオを見た。)


その当番は男女1人ずつだけど、クラスはどうでもいいらしい。



でも・・・やっぱ同じクラスのぼったんくんがいいな。





学年ごとの話し合いが始まって、私はうしろのぼったんくんに

『いつにする?一緒にしよーよ!』と言おうとしたら・・・



「おい。」


あの男に話しかけられた。


彼は違うクラスの女の子たちに囲まれながら

「宇佐美くんはいつにするの?v」なんて聞かれている。


そんな状態で私に話しかけたもんだから―――



女の子たちの目も、自然と私に向けられる。





なんだよぅ。なんか文句あるのかよぅ。



『なに?』

「お前、名前は?」

だけど・・・』

なんで、いきなり名前?

「漢字は?

『えーっと、・・・』


私がきょとんとしながら説明すると、あいつは女の子の手から紙をさっと取って、なにやら書き込んでいる。



「え、ちょっと、待って。」

「宇佐美くん!?」


それを見ていた女の子たちが不満そうな声をあげる。

ま、当の本人は我関せずな顔してるけどね。



でも、なに書いたんだろー?


気になって、私も紙を覗き込んだ、ら・・・・・・





月:昼休み(        )(        )
  放課後(        )(        )

火:昼休み(        )(        )
  放課後(        )(        )

水:昼休み(        )(        )
  放課後(        )(        )

木:昼休み(宇佐美 孝裕)( )
  放課後(        )(        )

金:昼休み(        )(        )
  放課後(        )(        )





木曜日の昼休みの欄に、私の名前が書かれていた。

もちろん、私が書いたわけではない。


さっき、あいつが書き込んだんだ。





なんで勝手に私の名前、書いてんの!?

しかも、よりにもよってこいつと一緒の当番!?


いやいやいや、全力でお断りですけど。



てか、勝手に書くとか、どんだけ自己中なやつなんだよ、こいつ!





『いや、私いやなんだけど。』

できるだけ関わらないようにしようって思ってたのに・・・

一緒の当番なんてありえない。



「ほら、さんもこう言ってるし。もう1回決めよ?」

「そうそう!」


女の子たちはかなり文句があるみたいで、宇佐美くんにつめよっている。

男の子たちも不満そうな目を向けていた。


いや、私だってみんなに負けないくらい、不満を前面に出した顔してるぞ。



「あとは勝手に決めろ。」





結局、みんな宇佐美くんを説得することができなくて、しぶしぶ―――


ほんとにしぶしぶだけど当番表が完成した。



女の子たちは、なにか言いたげな顔で私のほうを見てたけど


いやいや、文句言いたいのは私ですから!





はぁーーーーー



私の口からは、自然と大きなため息がもれていた。















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オリキャラ、宇佐美孝裕くんです。