『おはよ〜。』
朝、1限目のホームルームが始まる30秒前。
私は、少し息をきらせながら1Cの教室に入った。
そしたら、幸村くんとジャッカルが一緒にいて、ちょうど目があったからあいさつをした。
幸「おはよう、さん。」
ジ「おう。」
真「、おっはよ〜!」
真菜子が、私を見てあいさつをしにきてくれた。
真「めっちゃギリギリだったね〜。
もう来ないかと思った!」
『いやー、登校2日目で休むわけないじゃーん。
時間に余裕がありすぎて、どんだけギリギリに来れるか選手権してたんだv』
ほんとは寝坊したんだけどね。
きのうはキヨと遅くまでメールしてたし。
幸「そのわりには、ずいぶん息が切れてるみたいだけど?」
幸村くんがちょっといたずらっぽく笑った。
うぅ、やっぱするどいね。(いや、誰でも気づく)
『ジャッカルみたいに4つも心臓持ってないからね。
階段上がるだけで息切れしちゃうの。』
ジ「いやいや、俺が持ってると言われてるのは4つの肺だからな。
まあ、そもそも持ってねーけど。」
『あれ?そうだっけ?』
きのう真菜子に聞いたの、聞き間違いだったかな〜?
真「あはは、やっぱおもしろ〜v」
幸「ふふ。」
ジ「誰に聞いたんだよ・・・」
4人でそんなやりとりをしていたら、チャイムが鳴って先生が入ってきたため、それぞれの席に戻った。
009 彼らの部活。
そーいえば、昨日の委員会決めでは、ちょっとした波乱があった。
なんと、幸村くんが美化委員に立候補しなかったのです。
まあ、誰も立候補するって本人から聞いてたわけじゃなく決め付けだったんだから、波乱てわけでもないんだろーけど。
自分の希望の委員会を投票したら、委員長がそれを見ながら、黒板に名前を書いてくんだけど・・・
美化委員の男子の欄は、空っぽで。
女子の欄には、たくさんの名前があった。
そして、幸村くんの名前が保健委員のところに書かれた瞬間、女の子の驚きの声と小さな悲鳴が教室中で聞こえた。
保健委員の女子の欄には、私の名前だけが書かれていて・・・
ああ、私、保健委員決定っすね。
保健委員の男子の欄には、幸村くんの他にもうひとり立候補してるひとがいて、決定はしていなかった。
けど、女の子の羨望と嫉妬の目が私に向けられてて・・・
めっちゃ居心地悪かった。
そんな中、問題の中心となってる幸村くんを見ると、彼もこっちを見ていたようでパチッと目が合って、ふっと微笑まれた。
あー、あいかわらずきれいな微笑みですね。
でも・・・・・・
あー、痛い痛い痛い痛い。
女の子たちのしーせーんーがー・・・・・・
まあ結局、幸村くんは保健委員をもうひとりの子に譲ったみたいで、美化委員になってたけど。
おかげで、女子の女子による女子のための美化委員争奪戦が始まってしまったけど。
まー、真菜子も体育委員になれてたし。(ちなみに男子体育委員はオカタク。良かったね〜v)
ジャッカルもいきものがかりになれてたし。(生物委員ね)
幸村くんは・・・・・いいのかわかんないけど。
まあ、なんとか無事に全ての委員会が決まった。
1限目のホームルーム後の休み時間。
真菜子が私とジャッカルのほうにきて、3人で話をしていた。
『そういえばさー、ジャッカルって幸村くんと仲いいんだね〜』
よく話してるし。
外見とか全く違うのにね。
肌の色も白と黒だし。
髪の毛も・・・・・・ぷっ。
ジ「お前、なんか失礼なこと考えてるだろ・・・」
『え?』
ジ「顔、にやついてるぞ。」
『マジか!』
私は、あわててにやけた口元を戻した。
あぶないあぶない。
心の声は漏れていないようだ・・・
真「あははっ、おもしろv
まーでも確かに、ジャッカルと幸村くんは仲良いよね。
部活一緒だもんね。」
ジ「あぁ、まあな。」
『へー、同じ部活なんだ!』
何部だろう?
ジャッカルが文化部ってのは考えらんないから、運動部だろーけど・・・
正直、中部か外部かもわかんない。
だって、幸村くんは色白いし、ジャッカルは黒いし・・・
髪の毛は・・・あ、これ関係ねーや。
『なんの部活?』
ジ「テニス部だよ。」
『テニス?』
へぇ〜、ちょっと意外かも。
あ、でもテニスって貴族のスポーツだから幸村くんには合ってるのか・・・
真「うちのテニス部ってめっちゃ強くてさ。
去年の全国大会も準優勝!幸村くんは、そのときの部長だったんだよ。」
ぶ、ぶちょー!?
あんな優しい王子様みたいな人が部長なんて・・・
部長ってもっと、厳しそーで怖そーなイメージあるのにね。
真「あ、ちなみにジャッカルもレギュラーなんだよね。」
ジ「ちなみにってなんだよ。」
真「ちなみにじゃん。」
『おー、ジャッカルすげぇ〜!』
見かけ倒しじゃないんだ!(失礼すぎ)
私が尊敬のまなざしをむけると、ジャッカルはちょっとはにかんで「ま、まあな///」と言った。
あ、はにかみ王子登場。
真「テニス部って、強いしかっこいい人が多いから、レギュラーなんかは超人気者なの。
特に、幸村くんと仁王ってのが学校内でもトップクラスでモテてて・・・
あとは、丸井とかも人気あるんだけどさ。
ほぼアイドルみたいな扱いだよね。」
『あー、それはきのうの委員会決めのときにわかった。』
あれはすごかった。
いや、まじで、あれはすごかった。(大事なことなので2回言う)
ジ「部活とか試合のときとかは、あんなもんじゃねーぜ。
女ってすげーって、まじで思うし。」
真「そーそー。ファンクラブとかもあるしね。
けっこう過激らしいから目をつけられないように、気をつけなさいよ〜。」
過激なファンクラブって・・・
恐るべし、恋するJK!
真「あ、そういえば昨日、外部生の中に超イケメンがいるって噂になってたの、知ってる?」
『えー?あ、そういえば昨日クラス表見てたときに、そんなこと言ってる子がいたかも・・・』
真「たしかD組の宇佐美くんだったかな?
昨日なんか、宇佐美くんが保健委員やるから、D組の女子の間じゃ保健委員取り合いだったらしいし。」
うお、D組でも争奪戦が!?
どこでもあんだねー。
日常ちゃめしごとなのねー。(茶飯事ね)
・・・って、待って、保健委員!?
一緒じゃん!
ジ「保健委員ってことは、、お前一緒じゃねーか。」
『ほんとだねー。』
イケメンなら見てみたいって気持ちはもちろんある。
けど、女の子の羨望と嫉妬の目で見られるのはぜひ勘弁してほしい。
ジ「女子も男子も変わんねーな。
きのうは男子の間でも、外部生の話でもちきりだったぜ。」
『へぇー、そんな可愛い外部生いるんだ。』
ジ真((お前のことだよ!))
真菜子とジャッカルがあきれた目で私を見ていた気がするけど・・・
うん、気のせいか。
4限目の授業が終わって、教室内がいっきににぎやかになる。
『やっとお昼だ〜。』
真菜子と一緒に食べよーと思って真菜子の席を見たら、なにかを必死で書いているのが見えた。
『なにやってんだろ・・・』
ジ「どーせ、2限目の授業のプリントだろ。ほら、昼休みに提出って言われてたやつ。」
私のつぶやきにジャッカルが答えてくれた。
2限目って・・・あー、英語か。
あの「高校に入学して、最初の授業ですね。まずは中学校の復習をしましょう♪」とか言ってくばられたやつね。
まあ、英語が唯一の得意科目の私には簡単だったけど。
一応、去年までアメリカに住んでたしね。
まだできてないってことは、真菜子、英語苦手なのかな・・・?
そーいえば、真菜子は今日は弁当って言ってたな。
ゆきネエとれいちゃんはいつも学食だから、学食のときだけ一緒に食べてるんだって。
『じゃ、食堂でパン買ってくるって真菜子に伝えといて。』
背中から必死オーラでてるから、邪魔しちゃ悪いしね。
私はジャッカルに伝言を頼んで、財布と携帯だけもって教室をでようとドアに手をのばした。
しかし、私の手が触れるより先にドアは勢いよく開いた。
そして、目の前にはひとりの少年が立っていた。
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目の前に立つ少年とは・・・?